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会議録




平成13年2月 第255回 定例奈良県議会 会議録



〜質問全文〜



質問の要旨

  • 生活スタイルの転換等に向けた取り組みについて
  • 廃棄物処理について
  • 市町村合併について
  • 旅館業法に関する条例の一部改正について
  • 水道未整備地区の解消について
  • 輸入野菜の増大をふまえた産地対策について
  • 「平成13年度政府予算編成に関する要望書」における
    宇陀郡に関する事項について
  • 学校におけるパソコン授業の充実について
  • 陪審制度について(要望)



 議長のお許しを得て、私の一般質問をさせていただきます。

 最初に、日常生活の意識についてであります。

 私は先日、私の友人に、ヨーロッパにおけるエネルギー政策について問いかけをいたしました。その返事は、風力発電への取り組みは視覚的にも強い印象を与えることのほかに、 次のようなヨーロッパ人の生活全体に対する一文を寄せてくれました。それをご紹介いたします。

 「昔、日本は西洋に追いつけというのが目標でしたが、今は西洋をとっくに追い越してしまって、日本ほどぜいたくな生活をしている国は、ヨーロッパにはないのではないでしょうか。 スーパーマーケットへ行って売っているものを見ても、日本ではシャンプー一つ買うにも迷うほどありますが、向こうはそれほどありません。電気製品などは、もう日本の足元にも及ばなくなっていると思います。 ドイツから来た人を日本の電気の量販店によく連れて行きますが、ドイツの何年もの先の状態だとびっくりします。技術や品質では断然日本がすぐれています。着る者でも日本ほどぜいたくをしている国はないでしょう。 でも、これでいいのでしょうか。どんどんいろんなものをつくり、どんどん消費して・・・。そして、現在は消費が伸び悩んで景気が回復しないとか言っていますが、消費が伸びて景気が回復するような状態が来たら、 どのようになっていくのでしょうか。恐ろしくなってきます。ヨーロッパはもう少し地味なやり方で来ているのではないでしょうか。日常生活ではヨーロッパの人たちは非常に質素な生活をしています。 しかし、夕方は早く帰って、自分あるいは家族の生活を大事にしますし、一年に四週間ほどホリデーをとって旅行に行ったり、それぞれのやり方で楽しんでいます。そんなこと、日本では考えられません。 こんな点を比べたらどちらが裕福かわからなくなってしまいますが、考えさせられるところだと思います」という文であります。

 私は、生活の中で豊かさを求めることに異論を挟むつもりはありませんが、あまりにも物をはんらんさせ、大量消費することを生活の中心に置く考えに押し流されているように思えます。 かつての質素倹約という言葉は忘れられていますが、今改めて思い起こす時代に入りつつあると思います。質素倹約はすばらしい生活理念だと思うのですが、悪い行為でしょうか。 私たちの生活スタイルの転換等に向けた取り組みを、物を追い求めることから、物を大切にし、心や時間のゆとり、温かさに主眼を置いた、環境に配慮した生活に切りかえることが必要だと考えますが、 知事のお考えはいかがでしょうか。

 あふれ返る消費生活の中にも、私たちの生活のありようを見直す動きのあることをご存知いただいているでしょうか。佐賀県の神崎町では「神崎町容器包装’NO’条例」を制定して、 ことしの四月から施行すると伝えられています。私たちの奈良県で同様の取り組みが行われているでしょうか。もちろん、ごみになる発生源を少なくするための運動であります。 私は、ごみの処理主体が市町村であることも承知した上で、各市町村に対して、ごみの発生を少なくさせるための指導性を発揮すべきであると考えますが、いかがでしょうか、お伺いをいたします。

 さて、生活観の変化を求めると同時に、日常生活からごみを出さないという生活は成り立たないので、行政はごみの対応をしているわけでありますが、県下の分別収集は全市町村で行われています。 その分別収集に地域間格差はありませんか。分別収集による効果をどのように評価しておられますか、生活環境部長のご答弁をお願い申し上げます。


 次に、産業廃棄物処理についてであります。

 私たちの宇陀郡には、大きな犯罪にまで行き着いた処分場があります。そこは先日から運び出す作業が開始されましたが、そのほかに宇陀郡内には法律対象外処分地がたくさん存在しております。 そこに堆積している産業廃棄物が地中でどのように変化しているのか不明であり、不安であります。しかし、違法処分地ではありませんから、何ら対策が講じられていません。 もし隣地に住宅が建築され、住宅内に掘られた井戸の中で溶け出した物質をくみ出す事態になったらと思いますと、ぞっといたします。今後このような小面積の処分地に対する対策をどのように講じていかれるのか、 お考えをお聞かせください。

 産業廃棄物対策については、東北三県知事会議において広域的な対応を試みようとしておられます。内容は、パトロールの相互実施から始まり、 産廃業者の資格を問う事項、不法投棄に対する罰則、関係税制導入、それに情報ネットワーク構築等であります。東北三県の努力の様子がうかがえます。そして、我が県を取り巻く近隣の状況は、 三重県では税制に関する条例を提案しているようでありますし、また、和歌山県では監視が一段と強化されることとなったと聞き及びます。 大和盆地内で設置することの困難な処分場を山間部でつくろうとする傾向がなくなったわけではありません。三重県の課税を免れるために、我が県への投棄がふえることになるのではないかと心配であります。 産業廃棄物に対する我が県独自の方策をどのように考えておられるのか、同じく生活環境部長にお伺いいたします。


 次に、市町村合併についてであります。

 私の選挙区は宇陀郡であり、三重県と接しています。それぞれの町村の理事者はともかく、一般の人々の合併に対する関心はあまり高いとは思えません。 府県を越えて生活を営んでいる方々にとって、府県合併のほうが関心を呼び起こすテーマであります。今行われようとしている合併で、地方自治体の現状の赤字を棒引きにして、 今後予想される財政課題については、その地方でその赤字体質を適当にしなさいとの行政の方向づけであるとするならば、税収の少ない山間部地方都市は疲弊していくこととなります。 一部地域では、せっかくお誘いいただいているのだから、いっそ三重県の年と合併するほうがよいのではないかという意見もあります。

 私は、約250人の有権者の方々に、県がおつくりになった合併に関する資料を送りました。その中で返信をいただいた平均的な手紙をご紹介いたしますと、 「県の素案を拝読し、基本的に賛成であり、好意的に受け止めておりますが、合併によって財政基盤が整備でき、住民のニーズに的確に対応でき、住民の負担は低い水準に、 サービスは高い水準に合わす高度で多様な行政サービスの提供が可能としておりますが、本当にそのようなことが可能なのでしょうか。 実際には、末端の村まで恒久的に行き届いたサービスが保証されるのか、一時的なものでないかといった疑問や不安があります。合併によるメリット、デメリットを明確にしていただきたい。 なお、中央となる役所の所在地は当然よくなりますが、その反面、へき地や遠隔地が一層寂れていくことが予想できますが、この点どのように取り組むかを正確に示す必要があると思います。 また、少子・高齢化が進む今日、遠隔地に住む高齢者に対して福祉や教育が十分行き届かないおそれが多分にあると思います。以上申し述べましたこのような疑問と不安がすべて解消されない限り、 今回の合併は行うべきではないと強く思っています。市町村合併は、ただ単に財政基盤の整備が目的であってはならないし、そこに住む地域住民主体の合併であるべきだと思っています」、 このような真剣な意見が返ってきております。山間へき地の方々の意見をどのようにお聞きいただきましたでしょうか。

 そこでお伺いいたします。宇陀郡、吉野郡の合併に関しては地域性について配慮すべきと考えます。総務部長のご答弁をお願い申し上げます。


 次に、最近言われなくなった言葉で、大仏商法という言葉があります。お客様は待っておれば向こうから来る、じっと座っておればよいという意味に理解しています。 ところで、知事は、みずからの努力を少なくして利益を上げようとするホテルに手をおかしになるつもりなのでしょうか。知事は片方の手で多額の予算を使って建物を建てたり、 いろんなイベントや企画を考えておられます。この努力は何のためになさっているのでしょうか。多くの方々に奈良に来ていただいて、 奈良を理解し、よい印象をもって帰っていただくことではないでしょうか。毎年訪れる修学旅行生についても同じことであります。彼らによい印象をもって帰ってもらうことが大切だと考えます。

 ところが、今回の議会に旅館業法に関する条例の一部改正案件が提案されています。この条例は厚生労働省の衛生管理要領で規定されているスペースと同じ内容で、何ら問題はないと説明されています。 しかし、今までのツインベッドの部屋を三ベッドルームにすることを公に認める条例であることも確かであります。片方で、ボランティアの要請やライトアップやゴミ拾いなどをしながら、 もう一方では、修学旅行生のホテルについては狭いところへ詰め込むことを無条件に許す、こんなことで本当に奈良県の印象がよくなっていくのでしょうか。 厚生省へ確認をいたしましたが、全国的にもそのような規定をする傾向はないとのことであります。修学旅行生の奈良県に対するイメージが悪かったとしたら、 再び奈良に来ようとする将来に向かっての展望が開けないことになります。もちろん、全部のホテルがこの条例によって利益を上げるとは思えず、また逆に、 宿泊条件を少しでもよくしようと努力しているホテルもあることと思いますが、その人たちの努力をも踏みにじることになるのではないでしょうか。 片方の手で観光行政の名のもとに県民の血税が使われ、その結果、一部のホテル業者のために犠牲にされる、これはよくないことだと思いますので、 旅館業法に関する条例の改正に再考を求めたいと存じます。知事のご答弁をお願い申し上げます。


 次に、私の選挙区にすむ方々の中には、谷間からの雨水を導きいれ、生活用水に使っていたり、自宅敷地内に井戸を掘り、生活用水をみずから調達している方々が今だ多くおられます。 かつては奈良県のほとんどがそうでありました。しかし、いまや水道の普及率は、平成十一年度末の統計によりますと、奈良県は98.0%に達し、残り2%、人口で申しますと29321人のみとなったわけであります。 近畿の普及率を申し上げますと、滋賀県99.1、京都府99.2、大阪府99.9、兵庫県99.6、和歌山県95.9となっており、ほとんどが99%台になっています。 また、奈良県内において大和盆地内の普及率は100%に近いでしょうし、水道の恩恵に浴していない地域はやはり山間部過疎地域ではないでしょうか。未整備地区の2.0%、29321人のほとんどが山間部の方々であると思います。 山間部の過疎地域で降り注いだ水が、ダムとして取水されながら、肝心の地元に給水されない不合理さは、早急に解消されなければならないと考えますが、いかがでしょうか。

 このたびの議会に、平成十三年度議案、議第三十号、並びに平成十二年度議案、議第百六号とが一体的になって、奈良県北部地域広域的水道整備計画が示され、 真っ先の取り組みとして、室生村への県営水道給水計画を具体的な動きとしていただきました。このことは誠にありがたいことだと思っております。しかし、残される地域のできることは誠に残念であります。 計画によりますと、対象地域に宇陀郡内の曽爾村、御杖村も入っており、早急な整備を期待するところであります。県の示されました奈良県北部地域広域的水道整備計画では、目標年度は平成四十一年度とするとなっております。 それは今から数えますと29年後のことであり、私も知事もこの世におらない可能性の高い計画だと思います。せっかくの結構な計画でありながら、あの世で結果のわかる計画を示されても、対象地域に入っている方々は喜びません。 それとも知事はそこまで在職し、公約を果たそうとご決意していただけるのでしょうか。私も老骨にむち打ち、知事におつき合いをして、計画の正確さを議員として見届けたいと申したいのですけれども、どうなるかわかりません。 需給のバランスもあるでしょうが、奈良県北部地域広域的水道整備計画の繰り上げ整備について、そして、今だ水に困っておられる方々のある山間水道未整備地域の早期解消に向けて、知事のご決意をお伺いしたいと思います。


 次に、野菜農家の方々が悩んでおられます。今、野菜生産農家は、外国からの輸入商品によって瀕死の状況にあるといっても過言ではありません。消費者は外国からの野菜が農薬漬けではないかと心配しています。 消費者は、安全で、新鮮で、安く、農家の顔の見える商品を期待しています。外国からの輸入野菜は、かつての木材輸入自由化による日本林業への影響を思い起こさせます。このまま経済取引のなすがままでよいのでしょうか。 そこで、輸入野菜の増大を踏まえた産地対策として、野菜農家を救うための施策は国の輸入制限だけでなく、奈良県として、安全で安心できる野菜を確保するために、野菜農家に向けた方策をとる必要があると思います。 緊急の課題として対策を講じていかなければならないとの思いを込めて、お尋ねいたします。


 次に、平成十三年度政府予算編成に関して要望書を出すなど要望活動を続けてこられました。その中より特に宇陀郡とかかわりのある部分についてお伺いいたします。

 私たちの宇陀郡は山間地です。砂防事業、地すべり対策事業、急傾斜地崩壊対策事業は欠かせない事業であります。また、近畿自然歩道の整備促進でご協力をいただいておりますが、 大宇陀ふれあいルートへの施策を講じていただくことの必要性を強く訴えたいと思います。

 そして、宇陀郡の中で唯一人口を増加させ、発展を遂げているのは榛原町であります。新しい団地ができ、人口が増えても、現実の地元の商店街の店舗数に陰りが見えています。 榛原町は、庁舎の移転を含め、今大きく変わる時期にあります。このときに当たり、中心市街地活性化法に基づく萩原地区の活性化を促す必要があります。 この萩原地区は、宇陀郡全体の中心を担える地域であることを考えれば、補助事業対象としての成果を放つ地域であります。

 以上、宇陀郡にかかわる個所づけについて強く要望していただいていることと思います。それぞれの進捗状況等について、担当部長のお答えをお願いいたします。

 そのほか、大宇陀町松山の町並み環境整備事業、下水道事業の推進、地場産業の振興対策、中山間地域等の振興、野生鳥獣被害対策、過疎地域振興等、 宇陀郡の抱える悩みは多く、県行政の支援を必要とする地域であります。ご協力を改めて要望いたします。


 次に、学校での情報化に関してでありますが、中学校では、技術 ・ 家庭科で「情報とコンピューター」は必修となり、高等学校の普通教科では「情報」が新設され、必修となると聞いています。 ぜひ、小学校においても、コンピューターやインターネットなどの情報機器を活用した教科指導を行っていただくことを要望いたします。

 我が国においては、平成十二年度から開始された「ミレニアム ・ プロジェクト 教育の情報化」では、すべての学校の、すべての教室の、すべての教科の、すべての授業において、 すべての教員がコンピューターやインターネットを活用できるような状況を実現することを目指していると聞いています。また学校では、休憩時間でも自由に生徒がコンピューターやインターネットを使えるようにすれば、 情報機器の操作法も早期に身につき、さらに、情報教育の目標であります情報活用能力の育成にもつながると思います。そのために、コンピューターやインターネット等の情報環境の整備と、 あわせて学校の先生方の研修を充実される必要があると考えています。以上、教育長より各項目のご答弁をお願い申し上げます。


 最後に、私の取り組んでいる課題について述べさせていただきます。

 現在、政府の司法制度改革審議会において、司法の問題点を確認し、これからの時代にあった制度をつくろうと検討が行われています。 最近、裁判所にかかわる人たちの中において刑事事件が発生したり、事件になりそうな事柄を身内同士でかばい合う体質が見え隠れしています。 これらの事件や事柄は、もっと国会で議論しなければならないにもかかわらず、民主主義を正しく理解しない国会議員の質問者は、事司法制度にかかわると及び腰になっています。 このことは誠に残念なことと申さざるを得ません。

 私たちの生活している社会の制度は民主主義であり、私たちの主権は、立法、行政のみならず司法においてもあります。そして、その司法制度を定めるのは議会であります。 また、国民が司法制度のあり方を議論し、議決していくことは重要なことであります。三権分立だからと、立法が、あるいは国民がはれものにさわるように考えたり、 むやみに司法の事柄を遠い存在として扱うことは、よくないことだと私は考えます。例えば、この奈良県内において法務省の出先機関が数多くありますが、その出先機関についてわれわれは何ら論じることができません。 ささやかで身近なことでありますけれども、奈良坂にある奈良少年刑務所の中で営まれている社会復帰のための技術習得施設としての理髪店について、設定されている散髪代の値段が安いのか高いのか、皆様はご存知でしょうか。 そして、収容されている入所者が真剣に訓練に取り組み、自立更正を果たそうとしている姿について、私たち県議会は論議を深めることができるでしょうか。励ますために面会に来られる方々の気持ちを論議する場所があるでしょうか。 国会で論議するにはローカル過ぎること、一定地域の範囲が対象となる事柄であれば、その地方の、地域のこととして地方議会に審議をゆだねることがあってもよいのではないかと考えます。

 もっと大切なことは、私たちは裁判制度について、自分たちの意識の中で遠い存在にしているのではないでしょうか。私たち国民一人ひとりが法律をつくっているのと同じように、この県議会で条例を決定するのと同じように、 裁判に対しても国民一人ひとりがかかわって当然なのだということにならなければなりません。私は司法制度をもっと身近な存在にしていかなければならないと考えております。 今回の司法改革は、これからの時代を築く上で誠に大切な方針決定のときであることをご理解いただきたいと思っております。 このようなときであればこそ、知事はじめ皆様方に司法の分権化や陪審員制度に向けた取り組みの必要性をご認識いただきたいと考えております。


 以上、多岐にわたりましたが、私の一般質問とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。



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