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会議録




平成14年12月 第263回 定例奈良県議会 会議録



〜質問全文〜



質問の要旨

  • 市町村合併について
  • 人事院勧告への対応について
  • 介護保険について
  • 県内企業への取り組みについて
  • 山間地のおける水道普及について
  • 動物愛護条例について
  • 農林業の活性化について
  • 土木行政について
  • へき地教育について



 議長のお許しをいただき民主党市民連合会派を代表し、代表質問を致します。

 私たち民主党市民連合の会派は、五人というコンパクトな会派でありますから、年に一度の一般質問、そして今回のように会派を代表しての質問と、壇上に上がっての発言の機会を二度与えていただきました。 同僚一期生の中では我々が一番多くのチャンスを与えていただきました。先ずは会派先輩議員に御礼を申し上げます。そしてまた党派を超えて議場内外を問わず先輩議員にご指導を頂いたお陰様で、大道を間違えることなく今日まで歩ませていただきましたことに感謝申し上げる次第です。

 成人してから人生の大方の時間を政治とかかわって生きてきたわけですが、とりわけ有権者の期待を担っての議員生活は、其の責任の重さを自覚しつつも、充実した歩みでありました。 今日まで多くの方々にお支え頂きましたその皆様の政治に対する情熱を、身代わりとなって本日も質問させていただきます。どうぞ理事者の皆様には、十年後二十年後の奈良県を作る下地を今行っているのだとの情熱を精一杯ご披瀝いただき、 奈良県政にご注目を頂いている方々に夢と希望を抱けるように、ご回答くださいますようお願い申し上げます。


 今一番の大きな課題は市町村合併であります。既に本日の代表質問の中で先輩議員が触れられたことではありますが、私の視点から、疑問や確認せねばならない諸点について、お尋ねいたします。

 奈良県内においても、合併論議にようやく関心が高まってきたというのが、実態であると認識致しており、市民の立場としての理解は、今盛んに行われている合併説明会からのスタートであります。 しかし担当者の立場から見るともっと論議を深めてもらいたいとの気持ちを持っておられることと思います。私は今日までの県議会において、情報化社会の中で、自らの暮らす自治体の枠組みを決定する上で「参加する」言い換えれば「意思表示」の機会を持てないようでは、民主主義ではないと申し上げてまいりました。 そして今も尚、そのように思っております。新聞紙上を賑わせているのは生駒郡―北葛城郡北部、北葛城郡南部二町、吉野三町を中心とした地域、そして宇陀郡であると思います。このような状況の中で、私は地元大宇陀町文化会館における合併シンポジウムに出席いたしました。 さすが知事さんをはじめ奈良県ご出身の方々のお話は格調高く聞かせるものでありましたが、中央官庁の方のお話は、誠に遺憾な内容と申さざるを得ません。其の一は、奈良県の平野部の取り組みが鈍いのではないか。 豊かでおっとりとしているようだとの認識を披露されました。全国的な意識から立ち遅れているとの内容であったかと思います。奈良県として合併についてあまり努力していないのではないかとも聞こえたように思えます。 理事者の皆様は努力をされているように見受けるのですが、知事の目にはどのように映っているのでしょうか。各市町村で説明会が開催され、そこでは何が話題となっているか、地域の人たちが県に対しどのような要望を持っているか把握し、積極的な協力姿勢を見せること、そこから合併推進の第一歩が始まると思います。

 県として合併への気運やそれぞれの市町村の取り組みを把握していると思いますので、現在の県下各地の取り組み状況についてお伺いいたします。

 また、其の二として、其の高官は一万人以下の小規模自治体の権限は制約を受けるであろう。五千人以下の自治体は住民サービスのみの仕事となる。例えば住民票の発行程度の仕事となる旨の発言をされました。 其の後、それを裏付けるように読売新聞、最近の奈良新聞に同様記事が掲載されていました。また次に知事のご見解を伺いたいのですが、地方分権化の時代として実施する分権一括化法に示されているのは国と地方は同列対等だとの触れ込みでありますが、 こと、合併の話になりますと、居丈高に強制力をちらつかせて強引に推進しようと試みておられるように思えてなりません。一体いつから何に基づいて五千人以下の自治体の自治権限を剥奪できるようになっているのでしょうか。 県内には五千人以下の自治体は十五町村あります。この町村の住民は、自らの意思と関係なくどこかの自治体と合併しなければならないこととなるのですが、知事はこの考えに賛成しておられますか。

 私の地元においては菟田野町、曽爾村、御杖村が対象になり、吉野郡においては三町をのぞくすべての村が合併しないと権限を奪われてしまうこととなります。奈良県内においても特徴ある村づくりを目指し、また広大な面積をもつが故の合併消極村もある中で、 今回の高官の発言ならびに諮問機関の関係者の考え方は改めていただきたいと声高々に申し上げなければなりません。以前に開かれた議会において、今回の合併については住民の自由意志によって決定するものであるとのご答弁は、知事はじめ理事者一致したお考えのはずであります。 私たちも理事者のご答弁を素直に受け取ってまいりました。

 しかし、中央官僚からこのような小規模自治体潰し論が堂々と述べられるようでは、もはや財政の分野のみならず国の自治体制まで打ち壊されてしまいそうで、日本国も誠に危ういと申さざるを得ません。 国家や地方の自治は、官僚主権ではなく住民主権が一番大切なことであります。国が今進めようとしている市町村合併は、この民主主義に基づいた制度改革なのかどうかを、そしてどのように推し進められるかを私たち地方議員や地域住民は見守る必要があります。 宇陀郡や吉野郡の小さな村の自治権を取り上げ、大昔の天領や幕府直轄地のようにする発想は、今の時代には合わないことを改めて申しておきます。

 そこで、国レベルで議論されている小規模町村における今後の地方自治のあり方について知事のご所見をお伺いいたします。


 次に人事院勧告への対応についてお伺いいたします。

 去る十月十五日、県人事委員会は、知事および県議会議長に対し、職員の給与等についての報告および勧告を行いました。これは八月八日になされた国家公務員についての人事院勧告に準じたものであります。 月例給におけるいわゆる「公民較差」が、平均8627円、率にして2.04%となり県職員の給与等が民間を上回っているので給与改定を行う必要があるというものであり、県職員にとっては実に厳しい内容となっています。

 先ず人事委員会委員長にお尋ね致します。人事委員会勧告制度の本来のあり様についてであります。今年度は人事委員会勧告制度創設以来のマイナス勧告であります。本来、給与勧告制度は、労働基本権制約の代償措置であります。 勤労者の立場としてマイナス要求はありえないことで、「マイナス勧告」は労働基本権制約の代替措置としての給与勧告制度の趣旨を逸脱したものと考えます。現に、京都市の人事委員会は、勧告を見送ったと聞いています。当該勧告を行った人事委員会の所見をお聞かせください。

 次に知事にお伺いいたします。当該勧告の実施による景気に及ぼす影響であります。今回の「公民較差」は、そもそも公務員の賃金が高すぎて生じたものではありません。自民党政権と小泉内閣の経済政策の失敗によって、景気回復が遅れ大量の失業者が生み出されて民間企業に倒産が続出させられてきた結果ではないでしょうか。 今般の公務員給与のマイナス措置は民間に波及し,更にデフレを深刻化させるのではと心配しています。所見をお伺いしておきます。

 次に、既に支給済みの月例給を本年四月に遡り「公民較差」2.04%の割合で均衡させた算定根拠をもとに、3月期の期末手当から差し引くことは明らかな不利益の遡及ではないでしょうか。 一度適法に支払われた賃金を減額する場合は、本人の同意または労働組合との合意が必要で、事後に締結された労働協約や就業規則の遡及適用により処分することは許されないというのが法の定説となっていると理解しています。 知事は今回の給料表の改定等の提案を職員労働組合との合意を経てなされているのでしょうか。労使の信頼関係は一朝一夕で、出来るものではありません。来年度以降、三ヵ年間に及ぶ給与等の大幅な減額についての自主的な臨時措置について労働組合は歯を食いしばって合意したと聞いています。 労働組合の苦渋の決断に応えるためにも、少なくとも違法な不利益の遡及だけは撤回されるべきではないでしょうか。ご回答をお願いいたします。


 次に介護保険についてお伺いいたします。

 介護保険の実施により、高齢者の生活意識は大きく変わりました。特別養護老人ホームに入所している方々の目元は、かつての措置の時代、うつろな、気力の失せた状態であった方が多くおられたように思うのですが、今は人の出入りも多くなり、入所者の周りでなにが起きているのか関心を持って、観察しておられるように思えます。その分入所者の刺激になって、生活の変化を遂げていると申せます。

 さて、介護保険関係の伸び率を示すデータを議員各位にお配りいただいておりますが、ご覧頂いてお分かりのように介護保険のサービスが増えております。入所のみならずデイサービス、訪問介護やその他の事業において、対象件数や事業額に大きな伸びを示すこととなりました。 この伸び率は一見異常でないかとも思えるデータですが、介護を必要としていた潜在人数が多く居られたと理解すべきでありましょう。そこで質問ですが本県の介護給付について、当初の見込みと実績をどのようにお考えでしょうか、お尋ねいたします。

 この問題は、このように多くの対象者が介護の受給者になることによる財政的な負担に、各自治体が耐えていけるかであります。私は、市町村がそのような事態に至る前に、とにかく対象者となれば入所介護とするという事よりも、今まで通りご家庭でお世話をしていく方向に変えるべきだと思います。 今、介護度4、介護度5であっても、介護保険を利用せず家族の方だけで介護をされている場合、特別のケースを除き、家族には介護の手当は支払われない仕組みになっています。しかし、第三者の力を借りず一生懸命に父母や祖父母をお世話しながら、介護の評価を受けられないという今の制度は、安易な解決に頼っているように思えるのです。 家族の元で暮らせる幸せ感を保っている割合を増やすために、自分で家族を介護している方々に、現金給付をできるよう制度を改正することを求めるところです。制度をこのようにすることによって、介護の対象となれば施設介護の中で生活するのが当然との意識が定着しないでしょうし、高齢者が家庭で暮らすことが普通なのだとの気持ちを持ちつづける事も可能だと思え、 家族介護の立場を制度の中で築くべきだと思います。お考えをお聞かせください。

 また、在宅サービスのメニューのうちに、住宅の改修に関する給付のしくみがありますが、関係者のどなたに伺っても額において、チャンスの回数において、「今少し制度を充実させなければいけない。」との答えが返ってきます。今は原則一回、二〇万円まででありますが、これをできるだけ早い機会に、充実することを求めます。 なぜかと申しますと在宅で自立のできることが本人にとって大きな喜びでありますが、今の制度ではわずかな改善しかできないので、結局寝たきりや施設介護に移っていってしまいます。自宅での生活を続けていくことが出来るように強く求めます。

 改めて申し上げますと、介護保険制度が導入されたことにより、在宅での家族介護から施設介護にシフトしてきている。今後の介護保険財政,高齢者の増加等を勘案すると、在宅での家族介護はますます重要と考えられるが、家族介護に対しての現金給付制度の創設や住宅改修に対する支援措置を拡充すべきと考えるが、いかがでございましょうか。


 次に働く場についてであります。

 国際化の課題は、各職場で大変な時代を迎える扉を開けたこととなリ、奈良県の産業に大打撃を与えています。前回の統一自治体選挙の時、既に不況の波が押し寄せており、選挙スローガンに景気回復をあげていました。しかし未だに厳しい状況が続き、不況感が深まっています。 そして国際化の波は、価格競争で外国と太刀打ちできず、日本での生産をあきらめ、海外進出を成し遂げてた会社もあります。又、日本国内での生産を続けていくために、外国人経営者による合理化計画を断行した会社もありました。

 翻ってわが奈良県においては、どれだけの産業政策がとられてきたでしょうか。下手をすると奈良県には、工場が一つも残っていないという時代がくるかもしれません。技術の差が無く特徴を比較できない会社や、単純に賃金の差のみが勝負の分かれ目となっている会社等は、いずれも外国メーカによって駆逐されるか、自ら外国での生産と取り組むかを迫られることになっています。 このように企業も、大きな課題に突き当たっていますが、私たちの奈良県はどれだけのことをしておられるのだろうか。昭和工業団地や五條の団地のなかで企業意欲をうしなっている会社はないだろうか。会社が順調であればそこには雇用が安定するし失業者を生まないこととなります。スクラップ・アンド・ビルドといっても新しいベンチャー企業をどれだけ稼動させられたのか伺いたい。 一挙に新しい産業を成長させられない状況にあって既存の企業の生産力、労働の吸収力を大切にしなければならないことは明々白々であります。そこでお伺いいたします。県内の企業がどのようなニーズを持っているか、またその対応としてどのようにされているのか、お尋ねいたします。

 また、先日、三重県の県議会議員より、「三重県では90億の巨費を一企業に与える。その代わり会社は三重に移転してくることなった。」と話しておられました。既に報道記事になっているようですから捏造の大言壮語ではないと思います。 其の企業とは奈良県にある企業ですからわが耳を疑う心境になって当然であります。知事さん。時代の最先端を進む、まだまだ発展を遂げていくであろう会社を三重県に持っていかれるということのないように願いたいものです。そのような事態に至らぬようご努力されることを要望いたします。


 次に水資源の利用、特に命の水、水道について伺います。

 私たちの奈良県は近畿の屋根であり最上流の水供給基地であります。其の水供給基地に命の水である水道がついていない。こんなこと有りでしょうか。一番下流の大阪は100%、念のため申して起きますが、ほぼ100%の普及率です。そして県内の大和盆地の中も同様にほぼ100%の水道普及率となっています。 ところが水源地である宇陀郡そして吉野郡、これらの地域の中で水道普及率が100%に達している地域は、大淀町、黒滝村、下北山村この三地域しかありません。そして都市部の皆様が都市近郊でダムを持ち自らの力で水源を確保しているのはわずかで山間部のダムから供給を受けておられるわけであります。 そして肝心の足元水源地では、未だに山の取り水や井戸に頼っているご家庭が数多くあるという現実であります。日照りの夏に、奥さんに、水をもらって来てといわれ、その後でないと、夕食が作れないような不自由さをいつまでも続けることはできません。水道の普及率は未だ低いと申さざるを得ません。私たちの生活は気楽なキャンプではないのです。 どうか行政の方々のみならず議員各位に置かれましても、ご理解いただき水道整備にご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 そこでお尋ねしますが、最近の山間における水道の普及率の動向と、今後の普及率を高める計画について、お答えいただきたい。


 さて、宇陀郡に動物公園ができる話は、以前に本議場でも述べさせていただいたところです。そして、地元の大宇陀町都市計画審議会においても、審議を終えられたところですが、近隣の方々は今も反対の意思を表明されています。 どうか引き続き、地元に対する理解を深めるべく努力されますようお願い申し上げます。反対の理由は野良犬や野良猫を処分する施設を併設することにあります。私はそれらの処分されるべき動物を少なくするような政策を取らない限りいつまでたっても、 いたちごっこの税金の無駄遣いを生じることになると思います。

 人間と動物のかかわりは、人間が動物を愛護するだけのことではありません。動物だって人間に尻尾を振り、なき声をあげ、それぞれのしぐさで感情を表現しています。また、人間を守ろうとします。 そんな関係にありながら野良犬や野良猫の生じるのは、人間の責任から生じていることではないでしょうか。動物を責任持って飼い育てる。周りの人の迷惑にならないような飼育をする。実は私も犬に何度かかまれた経験があります。 幼いとき砂場で猫の糞をつかんでしまった経験もあります。動物を飼う人が、心無い飼い方をするために、多くの人々が迷惑をこうむることとなるわけであります。犬や猫になじまない方々もあり、動物の飼い方を規定する動物愛護条例の早期制定にむけ努力を願いたいところであり、 そして其の作業はどの程度進めておられるのかお尋ねいたします。余談ですが、奈良県内に犬は何頭飼育されているのか、把握しておられますか。お尋ねいたします。


 次に農業及び林業について質問いたします。

 今回の質問をするにあたり、この三年半を振り返ってみました。活気が有り、忙しくて仕方がないという農業に行き当たりません。農林業といっても他産業と同じ事であり、商品を生産していても消費者である国民の動向を把握して商品力をつけねばなりません。 以前から特産品ラベルをお作りになっていると伺いますが、どの程度の効果と市場における浸透をどのように把握しておられるでしょうか。またエコファーマーシールにつきましても最近おすすめされていますが、農家に対して理解を深める周知の方法はどのようにしておられるのでしょうか。 農業の振興は特産地としてのブランド力をつけることによって、より需要を喚起することになると思います。宇陀郡内の営農指導に関して、生産技術の指導は当然ですが、商品開発、販売戦略に至るところまで進められているでしょうか。 特産品作りのためと、集荷場が作られても出荷額が建設分担金に満たないという悲しむべき農家はありませんか。これらの問題点のいずれにしても宇陀郡の脆弱な農業体質を感じ取らせるものであります。 改めて、農業の振興には特産地としてのブランド力が必要と考えますが、宇陀郡における特産農産物のブランド化や特産農産物生産に向けた営農指導への取り組みについてお答え願います。

 今日の林業を取り巻く環境は、住宅様式の変化や外材輸入量の増加などにより非常に厳しい状況にあります。冷え切った木材市況と林業経営これらをよみがえらせるために、活力ある林業地帯とするための方策をお尋ねいたします。 つけ加えておきますが、本県では、5年前の激甚災害による林地を復旧するための施業を行ってきました。ほぼ計画は達成したと聞きますが、中でも施業の計画立案や実施が困難であったのは、一部大手林業家を除く、不在地主であったと言われております。 今後の地域林業における大きな課題であると申せましょう。今後不在地主に対し、施業を促すにはどのようにしたらよいか、ご研究いただきたいと要望します。


 土木行政についてお尋ねいたします。

 これだけ景気の悪いときですから公共投資に期待し、会社の存続のために入札に参加し、何とか仕事をしたいと望んでおられる建設会社の方々ばかりであります。今日のこのような状態は異常であり、入札についても厳しい目が注がれています。 其の中で奈良県はいろんな試行を行い、競争入札制度を変えつつありますが、其の目的は公正な入札にあるはずです。公共事業が減少しつつある中で、公正な発注をする事は申し上げるまでも無いことです。 現在県発注の土木工事のうち、一部に限定して予定価格と最低制限価格の事前公表を行い入札する制度が試行されていますが、入札手続の透明性と競争性を確保するためにも範囲を拡大して、この制度を定着させる必要があると思いますが、そのお考えはあるでしょうか。

 国においては入札制度の改革のために平成十二年秋に適正化法が公布され、

  1. 毎年度の発注見通しの公表義務
  2. 入札、契約の過程の公表義務
  3. 入札談合等があると疑うに足りる事実があるときの発注機関の公正取引委員会への通報義務
  4. 一括下請負の全面的禁止
  5. 受注者の施工体制台帳提出義務および発注者の施工体制状況の点検
が規定されました。県はこれを実行しておられることと思います。そして国では全国的に電子入札制度を取り入れるべく、方針を定め準備を進めています。そこで奈良県における電子入札の導入に向けた取り組みは、どこまで進んでいるか、お伺いいたします。

 次に、国内インフラの整備のあり方として、公共投資の抑制論議のあることは承知していますが、巨大プロジェクトはさておき、県民生活に密着した個所の整備をまだまだ進める必要があります。 宇陀郡においては、女寄峠、栂坂トンネルの推進、榛原福地の近鉄線路をまたぐ横断橋、国道165号西峠に至る登坂車線の確保、曽爾バイパスの早期完成を望むところであり、その進捗状況をお答えください。

 また、特に地方道の整備、河川の整備などは直接生活に密着しており、地域住民に与える影響は大きく、既に供用され幹線道並みの利用度の高い農道の規格を引き上げるとか、路面維持に協力するなども必要となってくるのではないかと考えます。 そこで、宇陀郡内において県民生活に直結する道路、河川の整備について、どのように取り組まれていますか、お伺いいたします。また一次改良が終わっていても、大型トラックが頻繁に通る状況にあって、道路網が狭く危険な個所が数多く発生しています。 具体的な個所については今触れませんが、局所の改良を認めるように強く要望いたします。


 教育についてであります。

 今年の秋は、野迫川村で奈良県へき地教育振興大会が開かれました。出身地の宇陀郡も対象地でありますし、当然出席させていただきました。受け持って開催されましたのは大塔村と野迫川村であり、 奈良県の研究主題は「ふるさとのよさを生かし、確かな学力とたくましい体力を身につけた心豊かな子どもの育成」でありました。タイトルだけでは中身を理解しにくいかと思いますが、 実際何をしていたか、印象深かったのはテレビ会議システムを駆使して都市部の学校の生徒と質問したり答えたりしながら、それぞれの知識と知恵とを出し合い、交流を深めている姿でありました。 また中学校では、生徒がスロバキアを訪問し、交流の成果を発表しておられました。国際交流にコンピューター学習、この二つのテーマは時代の最先端をいくものであり、全体を通して先生方の努力を大きく評価するところであります。 いまや地球規模で、発想したり行動を起こす時代になっているのでありますから、へき地教育も当然そのような方向性をもたれたものと思っております。

 人数の多い学校だからできるとか、人数が少ないから出来ないという数の問題より先生と生徒の向かい合う授業の真剣さに、教育の持つすばらしさも感じ取れる振興大会であったと受け取ったところであります。 国際化の中で日本の社会の変化は、学校教育にも大きく影響を与えています。大方の町で外国人を見かける時代でもありますし、日本の企業でありながら社内会話が英語で行われている会社もある状況です。

 そこで、教育長にお伺いいたします。本県の小学校において、外国とのかかわりを学ぶために、国際理解の立場から行われている外国語教育の取り組み状況とどの程度の成果が得られることを期待しているのかについてご答弁下さい。

 そして、県立高校の統廃合について、山間部における高校は地域教育のシンボルであり郷土愛を育む重要拠点であると認識しております。県教育委員会として特段の配慮をさせますよう望んでおります。



 以上で壇上からの質問を終わります。私は県民の代弁でございます。理事者の方々は、県民の皆様にご答弁されるつもりで丁寧にお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。


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