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会議録




平成13年9月 第257回 定例奈良県議会 会議録



質問に対する答弁 (発言順)



質問内容 答弁者
市町村合併/雇用対策について 知事
組織犯罪/要人警護対策について 警察本部長
雇用対策/労働者融資制度について 商工労働部長
IT環境整備/バリアフリーについて 副知事
1300年記念事業構想について 企画部長
駅へのエレベーター設置/DV法について 福祉部長
男女共同参画社会への取り組みについて 生活環境部長
畜産試験場跡地利用/中央卸売市場活性化について 農林部長
水道整備/動物愛護センター構想について 健康局長
兼営水道料金の内訳について 水道局長
宇陀郡の道路・河川の整備について 土木部長
県立高校将来構想について 教育長


知事の答弁

 十九番田中議員のご質問にお答えいたします。

 私に対する質問の第一点は、市町村合併に対する県の取り組み状況についてでございます。

 県におきましては、昨年度から市町村行政体制整備検討懇話会というものを設けております。これは市町村関係者が30名、学識経験者及び各界代表が25名という、 計55名の大変大きいメンバー、委員の数でございまして、これは市町村合併の問題について幅広い議論をしていただくために設けたものでございます。 今回の市町村合併の必要性は、実は市町村の提供する行政の質の問題にかかわっているという認識をしておりまして、 その点を関係者で大いに議論をして合意形成をしていただきたいという考え方から、こういうものを本県なりに試みているものでございます。 特に、これは昨年度設けましたが、本年度は地域懇談会という形で三つのブロックを設定いたしまして、それぞれの地域で開催中でございまして、 既に二つのブロックで開催し、各地域ごとに踏み込んだ議論をしていただいているところでございます。また別途、ご質問にもございましたが、 昨年十二月に「奈良県における市町村の行政体制について」と、別途の名称は奈良県市町村合併推進要綱でございますが、これを、 議論の一つのきっかけを提供するという趣旨から策定いたしました。このような状況のもとで、県内各地域で市町村合併についての議論が活発になされるようになってきたと、 こういうふうに受けとめている次第でございます。

 各地域の取り組み状況を、把握している限りで幾つか申し上げますと、例えば、首長さん、市町村長による懇談会と議会関係者による研究協議会で議論を行われている地域もございます。 あるいは担当部課長クラスの意見交換会を開催した地域もございますし、あるいは郡単位の町村会において意見交換会を開催した地域もございます。 あるいは別途、青年会議所が中心になって、それに市町村長も参加した形の市民講座、サミットを開催した地域などもございます。 このほか、議会における特別委員会での議論とか、議員有志の研究会、あるいは職員の研究会等が設けられている地域もあるわけでございます。 現在のところ、各地域においていろいろな取り組みが行われております。

 県といたしましては、これらの動きを支援するために、本年度からは、市町村や公共的な団体等が行う市町村合併に関する調査研究事業等に対しまして、 補助などの新たな財政支援制度を設けておりまして、また、人的な側面からもアドバイザーの派遣などの支援を行っているところでございます。 さらに、今後は、これを焦点を絞った推進を図るため、市町村合併重点支援地域というものの指定をすることも検討している次第でございます。 これは、例えば地域住民の間で合併に向けての気運が盛り上がっているとか、あるいは合併協議会、または市町村合併特例法に基づかない任意の協議会等が設置されている地域とか、 あるいは関係市町村で合併に向けた取り組みがなされて、一部の市町村から要請がなされたような場合、こういう一定の要件を満たす地域を指定して、 その推進を図りたいと考えている次第でございまして、既に複数の圏域において一部市町村から希望も出されております。それぞれの圏域を構成する他の市町村の意向も伺いながら、 早期の指定に向けて作業を進めてまいりたいと考えております。

 なお、庁内の体制といたしましては、ことし五月に、私を本部長として三役及び各部長を本部員とする奈良県市町村合併支援本部を設置いたしまして、 部局横断的な支援体制を整えたところでございます。基本的に、市町村合併は、それぞれの地域が今後どのようなまちづくりを進めていくのか、 どのような将来像を目指していくのか、こういう地域の将来に持つ姿、イメージ、こういうものが大きくかかわるわけでございます。したがいまして、 それぞれの地域で十分な議論や検討が積極的に行われることが期待されるわけでございます。県といたしましても、ただいま申し上げました懇話会とか支援本部を活用しながら、 それぞれの地域の実情、進みぐあいに応じまして積極的な支援を図ってまいりたい、さように考えている次第でございます。


 もう一点は、雇用対策についてでございまして、近畿圏の失業率が6.3%に達している、こういう状況についてどういう取り組みをしているかということでございまして、 先ほどもお答えしたところでございますが、要点を申し上げますと、やはりご指摘のとおり、近畿圏の七月の完全失業率6.3%、 これは全国の完全失業率より1.3%も高い厳しい雇用情勢にございます。また、本県の有効求人倍率は0.48倍ということで、 近畿地方の有効求人倍率と比べましても、わずかながら下回っていると、こういうことでございます。こういう場合には、やはり雇用対策、いろんな対策をとらなければなりませんが、 事態をよく見詰めながら、やわらかい発想で機動的な対応で対処する、こういうことが必要であろうと考えております。そのため、県の雇用対策としては、 一つはそういう対応をするための経済・雇用情勢に関する奈良県の取り組み方針というものを定めまして、同時に、その内容でもございますし、体制でもございますが、 奈良県経済・雇用緊急拡大本部というものを庁内に設置いたしまして、県内の実情に即した緊急経済・雇用対策の検討を図りながら、同時に、 経済の活性化を含めた雇用の場の拡大、あるいは個別の雇用対策を全庁的、横断的に取り組んでまいりたいと、そういうふうに考えている次第でございます。


 以上でございます。

警察本部長の答弁

 十九番田中議員のご質問にお答えいたします。

 まず、来日外国人による組織犯罪対策についてでありますが、本年一月末現在、来日した外国人で不法に残留している者が全国で23万人余り把握されており、 これに不法に入国した外国人を加えると、不法滞在者は相当な数に及んでいることが考えられます。このような状況の中、本年上半期における全国の来日外国人の検挙人員は6585人と、 前年同期と比較して753人、12.9%増加し、犯罪の多発、凶悪化と、地方への拡散傾向が顕著となっており、我が国の治安の根幹を揺るがす大きな脅威となっております。 このため、本年七月十日には閣議決定により、内閣官房長を本部長、国家公安委員長を副本部長、関連六省の副大臣等を本部員とする国際組織犯罪等対策推進本部が設置され、 ピッキング用具使用の組織窃盗や自動車盗難等について、政府全体として重点的、計画的に取り組むこととしております。


 次に、本県における来日外国人の検挙状況でありますが、八月末現在の検挙人員は62人で、前年同期と比較して28人、82.4%増加しており、 本県においてもこの種の犯罪の増加が顕著となっております。このような状況に対し、県警察といたしましては、来日外国人組織犯罪対策を現在及び今後の治安維持上の最重要課題ととらえ、 外国人組織犯罪対策推進室を中心として徹底検挙による外国人犯罪組織の壊滅を目指し、県警の総力を挙げた捜査を推進しているところであります。


 次に、国際テロ対策及び要人警護についてでありますが、今回のアメリカ合衆国におけるテロは、これまでのテロの手法や被害規模をはるかに上回り、 その影響が米国一国にとどまらないことから、本県におきましても、国際テロ等不穏情報の収集と、不測の事態の発生に備え警戒警備に努めているところであります。 また、外国からの要人の警護につきましては、県民の理解と協力を得ながら、要人の身辺の絶対安全確保について漏れのない諸対策を推進することとしております。

 以上でございます。

商工労働部長の答弁

 十九番田中議員のご質問にお答えいたします。

 私には、雇用対策にかかわりまして二点ございます。

 まず最初に、再就職のための職業訓練コースや受講定員の見直しについてどうかということでございまして、再就職のための公共職業訓練は、 県内で県並びに国で一カ所ずつでございまして、トータル二カ所で実施しております。県立の高等技術専門校では、システム情報科、ビルメンテナンス科等十一科で、 新規学卒者を含めます定員が280名で実施しております。さらに委託訓練といたしまして、事業主団体等委託訓練10名、民間教育訓練施設への委託訓練としまして、 IT訓練とか、フォークリフト運転技能講習等、四課程で230名の定員で実施しているところであります。また、国の機関であります奈良雇用能力開発促進センターにおきましては、 住宅サービス科、ビジネスワーク科等、四科で定員が360名で実施しているところであります。さらに委託訓練も、事業主団体等委託70名、 民間教育訓練施設への委託訓練としてプログラマー養成科等、緊急対策としての短期コースを含めまして定員が1290名で実施しているところであります。

 今年度は、特に事業主を対象としまして雇用動向アンケートを実施いたしました。これをもとに企業の求めている人材を養成するために、 訓練コースや定員の見直しを行い、再就職のための職業訓練の拡充に向けて、奈良労働局、雇用能力開発機構と連携を図りながら取り組んでまいる所存でございます。 なお、最近の厳しい雇用・失業情勢から、さらに県においては、民間教育訓練施設に委託するIT訓練の追加実施を行うために、今議会に補正予算をお願いしているところであります。


 もう一点でございますが、勤労者生活支援資金融資の使途について、使途を住宅ローン等にも広げてはどうかということでございますが、当制度は、 中小企業に勤務する労働者または離職者を対象に、緊急に資金が必要となった場合、円滑に資金を援助できるよう創設しました生活資金貸付制度であります。 不況時におきます臨時特別措置としまして、その使用目的を教育費、医療費に限定し、安易に高利の金融機関を利用することのないよう、 労働者の生活のセーフティネットとして制度化されたものでございます。平成十三年度におきましては、より利用しやすい制度とするため、貸付額とか貸付利率、貸付期間等、 貸付け条件の変更を行ったところであります。議員ご指摘の使用目的の緩和につきましては、現在国が検討しております総合雇用対策の中で離職者支援資金の創設等の推移も勘案しながら、 検討してまいりたいと思います。

 以上でございます。

副知事の答弁

 十九番田中議員のご質問にお答えいたします。

 第一点目は、情報化社会におけるいわゆる価格是正、IT講習などについてのお尋ねでございます。

 まず、情報通信ネットワーク網の整備につきましては、近い将来、インターネットを利用して各種申請や届出、公共施設の利用申し込みなどの行政手続きを行ういわゆる電子申請や、 商品などの購入を行います電子商取引が日常化するような社会の到来が考えられますので、県民のだれもが、いつでも、どこでもインターネットなどを容易に利用できる環境の整備が急務であると考えております。 県内のインターネット接続サービスの提供につきましては、現在、民間事業者における自由競争のもとでサービスエリアを順次拡大されているところでありまして、 基本的には民間主導で行われるべきものと考えております。しかしながら、民間事業者の自由競争のみに頼りますと、 企業としての採算性の面から地域格差が生じてきているということについても認識しております。このような民間事業者による整備が進まない、いわゆる条件不利地域につきましては、 本年八月の総務省の「二十一世紀における情報通信ネットワーク整備に関する懇談会」におきましても、民間主導原則の補完としての公共投資による整備の必要性が報告されているところであります。 今後の国の取り組みや支援メニューの具体化の動向を注視しながら、また各市町村との連携を図りつつ、国など関係方面に対し整備の促進を働きかけるとともに、 あわせて県内ネットワーク網のあり方についても検討を進めてまいりたいと考えております。

 次に、IT講習についてでありますが、この講習は、来年三月までの間、県及び県下の全市町村において約六万人の受講者を目標に実施中であります。 今月末の時点では、目標の約半数の三万人の方々が受講の見込みであります。なお、受講者の皆さんからのアンケート調査では、講習内容についてよく理解できた、楽しかったなど、 一般的に好評であるとの報告を受けているところであります。また、この講習は技能の修得を目的とするものでありますので、再度学習をしたいという人には、 講座に空きがある場合には再受講をしていただいたり、あるいは講習時間内に余裕が生じた場合には、表計算やホームページ作成などについても講習内容に取り入れるなど、 講習のフォローアップ、ステップアップにも取り組んでおります。今後、ITのますますの進展によりまして、県民の皆さんの学習ニーズがさらに高まるものと予想されますので、 小・中・高等学校におけるコンピューター教育の充実や、県立学校施設設備や教育機能を活用した県民の皆さんに対する開放講座の実施、 各市町村において実施されるパソコン教室などに派遣される情報ボランティアの充実など、県内各地域と連携を図りながら、 県民全体の情報活用能力の向上を図ってまいりたいと考えております。


 次に、第二点目のご質問で、バリアフリーにつきまして、県庁内各課執務室内での車いすのスムーズな通行についてのお尋ねがございました。

 県庁舎の整備に当たりましては、障害者の方々に不自由をかけないように、奈良県住みよい福祉のまちづくり条例に基づく整備基準を踏まえまして、これまで対応してきております。 具体的に例を申し上げますと、出入り口の自動扉化、段差の解消、廊下の手すりの設置、誘致ブロックや点字案内の整備、身障者用トイレの増設などに努めているところでありまして、 この点は、本庁舎のリニューアルに際しましても構造的な対応を行ったところであります。しかしながら、お話にありましたように、構造的には対応しておりましても、 保管書類の増加などによりまして移動に支障を生じるなど、不自由をおかけする可能性もあります。そういうことから、それぞれの部署において日ごろから心がける必要があると考えております。 このため、夏と年末に行っている年二回の庁内一斉の執務環境整備に当たりましては、例えば、執務室内は車いす利用者の方が通行できるようにスペースを確保するなど各部署に通知をし、 その確認を要請しているところであります。引き続き、資料の減量化や限られたスペースの有効利用を進めるなどの工夫をしながら、また、傘立てやロッカーなどの配置にも気をつけながら、 障害者の方々に不自由をかけないよう、日ごろから各部署において適切な対応をとるよう努めます。

 以上であります。

企画部長の答弁

 十九番田中議員のご質問にお答えさせていただきます。

 私に対しては、平城遷都一三〇〇年記念事業についてでございます。

 議員お述べのパンフレットでございますが、これは本年六月に2010年委員会において策定いただきました事業構想指針の概要を掲載しているものでございます。 この指針は、記念事業の基本的考え方や取り組みの方向性、さらには、より具体的にイメージをしていただけるような事業展開の例示など、 その概略的な枠組みをまとめたものでございます。これに対しまして評価をしていただきましたことにお礼を申し上げる次第でございます。

 現在、2010年委員会におきまして、この指針をもとに基本計画の策定に取り組んでいただいているところでございまして、魅力的な地域づくりや観光交流、 文化交流による地域活性化など、大交流の二十一世紀の先駆けとなる都市づくりを追求するということに結びつくような計画の織り上げに取り組んでいるところでございます。 したがいまして、現在は事業規模をお答えできる段階にはないわけでございますが、今は財政制約にとらわれることにより幅の狭い発想の議論に陥ることを避けまして、 むしろ県の将来像の実現を図る上で、事業費をかけてもそれを上回る価値があり、真に意義のある事業を構想していくということが大事であると認識しているところでございます。 同時に、基本計画の策定に当たりましては、現実性のある計画とするための配慮も行っていくという所存でございまして、具体的には、まず、 すべての事業を県が主体となって行うのではなく、国、市町村、民間などの多様な主体の参画を得ていくということ、また、ゾーン整備につきましては、 2010年までに達成が困難なものにつきましては、2010年以降の長期的な視点に立って進めるものとしていること、また、 国の支援確保を図ることができるような国家的意義のある事業としていくことなどを念頭においているところでございます。議員から事業規模についてのお尋ねがあったわけでございますが、 現在は基本計画に盛り込む事項をどのような範囲や記述レベルのものとするかということ自体が検討対象となっている段階でございます。今後、計画を具体化する中で、 財源確保などの問題も視野に入れながら十分な検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

福祉部長の答弁

 十九番田中議員のご質問にお答えをいたします。

 私に対しますご質問の一点目は、バリアフリーについて鉄道駅にエレベーターの着実な設置を働きかけるべきと考えるが、どうかというお尋ねでございます。

 鉄道駅の福祉的整備につきましては、平成八年度に設置いたしました住みよい福祉のまちづくり基金を活用した補助制度によりまして一定の促進が図られてきたところですが、 なお未整備の駅がございます。そこで、平成十三年度からは、今後十年間で一定規模以上の既存駅のエレベーターの設置及び福祉対応トイレ等の整備につきまして、 国と市町村と協議して補助を行いますとともに、規模の小さい既存駅の福祉対応トイレ等の整備に対しましても、県単独で補助を行う、 人にやさしい鉄道駅整備事業により重点的に取り組むこととしたところでございます。鉄道駅のエレベーター等の福祉的整備を推進するためには、 鉄道事業者の主体的な取り組みが欠かせません。このため、鉄道事業者には、奈良県住みよい福祉のまちづくり推進協議会に参画いただき、 まちづくり条例の趣旨の理解や協力を求めておるところでございます。駅舎整備の要望や補助制度の説明のため、近鉄やJR西日本を直接訪問するなどして、 積極的に整備を推進するよう働きかけてきております。今後とも鉄道駅の福祉的整備を推進するため、市町村や関係機関とも連携を図りながら、 鉄道事業者に強く働きかけてまいりたいと考えております。


 ご質問の二点目は、男女共同参画社会の構築について、DV法が十月に施行されるが、その法施行に対して県はどのように対応しようとしているのか、 また、その準備状況はどうかというお尋ねでございます。

 配偶者からの暴力は、個人の尊厳を害し、男女共同参画社会の実現の妨げとなるものであることから、婦人相談所や女性センター、福祉事務局、 市町村の女性相談窓口等におきまして、DV被害者の相談、援助に努めてきたところでございます。また、DV相談では保護を必要とする場合も多く、 婦人相談所では平成十二年度より、民間の母子生活支援施設へ緊急的に一時保護を委託いたします奈良県母子等緊急一時保護事業を開始いたしまして、 一時的に保護が集中した場合に対応してきているところでございます。このような中で本年四月に、配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、 自立支援等の体制を整備することにより、暴力の防止と被害者保護を図るために、議員お述べの「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」、 いわゆるDV法が成立をいたしました。DV法はこの十月十三日から施行されることとなっておりますが、法律の規定に基づきまして、来年三月三十一日までは、 婦人相談所が裁判所からの保護命令のための書面提出依頼に応じることとなっております。また、平成十四年四月からは、婦人相談所がDV被害者の相談、保護、 自立支援や保護命令制度利用情報の提供などの業務を行います配偶者暴力相談支援センターの中核的役割を担うべく、現在、準備検討を進めているところでございます。 さらに、今年度におきましては、従前より開催をいたしております女性相談員研修会に加えまして、新たにDVサポーター育成講座のほか、 女性に対する暴力相談事例集やDV対応マニュアルを作成し、啓発や相談に携わる職員の資質向上や地域でのDV相談の人材育成に努めることといたしております。 また、関係機関相互の情報交換、ネットワークの構築も大切なことから、相談機関連絡会を開き、緊密な連携を図ることといたしているところでございます。 今後とも、関係機関、DV問題に取り組む民間団体、他府県とも連携を一層密にし、暴力防止の啓発やDV被害者の相談、保護、支援に努めてまいる所存でございます。

 以上でございます。

生活環境部長の答弁

 十九番田中議員のご質問にお答えをいたします。

 男女共同参画社会構築に向けて県職員に対してどのように働きかけているのかということでございます。

 ご承知のように、男女共同参画社会の実現につきましては、従来から、なら女性プラン21−奈良県女性行動計画の第二期に基づきまして取り組んできたところでございます。 平成十一年の六月には、ご承知のように男女共同参画社会基本法が制定をされました。本県におきましても、さきの六月議会におきましてご審議をいただきましたが、この法律の趣旨を踏まえ、 奈良県男女共同参画推進条例を七月一日に公布、施行いたしたところでございます。今後さらに、これに基づきまして総合的かつ計画的に推進をすることといたしているところでございます。 そのためには、県、市町村、県民、事業者等が一体となって取り組んでいく必要がございますが、県における諸事業の推進に当たりまして、 県職員が男女共同参画社会の必要性についての理解を深め、その視点をもって事業に取り組むこと、そして、県の各種審議会、委員会委員の女性の登用の促進等を基本認識のもとに、 知事を本部長とし、関係課で構成をいたします男女共同参画推進本部を中心とし、推進をしているところでございます。 県職員一人ひとりが意識改革と理解を一層深める観点からは、職員研修で男女共同参画社会の必要性、女性の人権等についての研修の実施、 そして各職場への広報啓発誌やパンフレット等の配布による啓発などの取り組みを行っているところでございます。また、女性職員の管理職への一層の登用、 女性職員をこれまで以上に幅広い分野の業務に配置するとともに、男女がともに個性と能力を発揮できる職場環境づくりにも努めているところでございます。 今後もこうした取り組み等を通じ、男女共同参画社会の実現に向けまして、県職員の意識の向上や啓発に努めてまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

農林部長の答弁

 十九番田中議員のご質問にお答えをいたします。

 まず、畜産技術センター跡地利用について、より一層地元理解を得るよう努力すべきと考えるが、どうかと、こういう点でございます。

 本年四月、大家畜部門が御杖村に移転したことに伴う跡地利用につきましては、動物とのふれあい、あるいは動物と人とのかかわりを学ぶことを通じ、 命の大切さ、あるいは生きる力をはぐくむ教育の場として、また健全なレクリエーションの場として提供できるよう、動物学習館、動物愛護センター、畜産技術センター、 鳥獣保護センター、ふれあい広場、多目的から成る(仮称)うだ・アニマルパークの整備を進めたいと考えているところでございます。そのため、 この計画について大宇陀町及び町議会全体協議会にご説明をし、事業推進への同意を得るとともに、自治会や小学校区別に地元説明会を開催し、理解を求めてきたところでございます。 しかしながら、動物愛護センターの設置について、なお反対の方がおられることも十分認識しておりますので、さらにご理解を得られるよう説明に努めながら、事業推進を図ってまいりたいと考えております。


 ご質問の二点目は、中央卸売市場の関連店舗の空き店舗解消に向けてどのように対応するかと、こういうご質問でございます。

 中央卸売市場における関連棟の店舗数は65店舗ございます。現在、そのうちの4店舗が空き店舗となっております。この空き店舗の補充につきましては、 従来から空きが発生するごとに、まずは同一業種を対象として募集をし、それに応募がない場合には、市場内業者で組織をしております関連卸協同組合と協議の上、 市場業務の適正かつ健全な運営を確保できる業種を選定し、再度募集を行うこととしております。しかしながら、近年の経済不況、あるいは流通形態の変化等によりまして、 関連事業全体の取扱金額が年々減少しているなど、経営環境の悪化に伴い、空き店舗の解消には至っていないのが現状でございます。 今後も市場内の関連卸協同組合と連携を保ちながら、空き店舗の解消を図るとともに、市場の活性化に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

健康局長の答弁

 十九番田中議員のご質問にお答えをいたします。

 私へは、大きく分けて二つの質問がございます。まず、水道事業のうち宇陀郡や吉野郡等の山間部の水道普及率の向上についてのご質問でございます。

 本県の水道普及率は、平成十二年三月三十一日現在で98%と、全国平均を1.6%上回っておるわけでございますが、宇陀郡・吉野郡地域においては、地形的制約等もありまして、 普及率は80.9%にとどまっております。未普及地域の水道整備は、降雨及び渇水時における供給の不安定さや衛生面からの心配を解消する上で不可欠のものであり、 事業主体である市町村において、簡易水道施設を中心とした整備促進が図られております。県では、これらの事業に対し県単独補助制度による積極的な支援を行っており、 宇陀郡・吉野郡地域では、現在十町村におきまして十七事業を実施中でございます。今後も国及び県の補助制度を十分活用するよう市町村を指導し、 山間部に残された未普及地域の解消を図ってまいります。


 次に、畜産試験場跡地利用についての中で動物愛護センターについてでございます。この中で三点ご質問でございます。

 まず第一点は、動物愛護の基本的な考え方についてでございます。動物愛護の基本原則は、議員お述べのとおり、人と動物とのよりよい関係づくりを通じて動物の命と尊厳を守ることにより、 人と動物が共存できる社会を築くことにあり、現在、動物愛護の普及・啓発と適正飼育の指導強化に努めておるところでございます。

 第二点目は、動物愛護条例の制定についてのご質問でございます。本県では、平成十二年十二月に施行されました動物の愛護及び管理に関する法律にあわせ条例制定を考えておりまして、 これまでにホームページ等に寄せられた県民の意見を参考にしながら条例案を検討中でございます。また、あわせて、現在、全国先進自治体の情報等を収集しておりまして、 動物愛護センターの業務内容も考慮した内容の条例制定を行う予定でございます。

 第三点目は、盲導犬、介助犬の育成についてのご質問でございます。動物とともに暮らせる社会を築くという目的の中で、盲導犬、介助犬の果たす役割は大きいものと認識しております。 議員ご指摘の動物愛護センター構想の中で、盲導犬、介助犬の育成と訓練の場を設置することについては、今後の研究課題として受け止めさせていただきます。

 以上でございます。

水道局長の答弁

 十九番田中議員のご質問にお答えいたします。

 私に対しては、用水供給事業について、本県と他の近畿府県の料金はどのような状態なのか、また、その差の生じる原因、 それから、本県として料金抑制のためにどのように対応しているのかというお尋ねでございます。

 本県の県営水道の供給単価は、現在、一立米あたり145円で、本県と同程度の事業規模の兵庫県の153円よりは低いものの、 近畿府県平均の123円より一立米あたり22円上回っている状況にございます。これは主として、本県県営水道は、その水源を主要な供給地である大和平野地域に求めることができず、 吉野川、宇陀川に求めざるを得なかったことによりまして、導水管延長が他府県に比較して長く、また、導水トンネルなどの設備投資が必要となったこと、 また、給水区域が広範囲に及ぶため、給水量の割に送水管延長が長くなり、これらの導送水施設に係る減価償却費や支払い利息の資本費が割高となっていることなどから、 給水原価が高い水準にあることによるものであると認識しております。こうしたことから、県営水道は県の一般会計から水道施設改良事業費の三分の一相当額について出費を受けており、 その料金抑制効果は、十二年度決算ベースで立米あたり17円となっております。さらに、水道局としても資本費の軽減を図るための高金利企業債の借換え、維持管理費の節減、 また、将来のコスト負担の平準化を図るための経営安定化積立金の積み増しなどの企業努力を実施してきたところであり、給水料金につきましては、 平成六年に料金改定して以来現行料金を維持している状況にございます。今後とも、より一層の施設の計画的整備や経費節減等を図り、効率的な経営に努めてまいる所存でございます。

 以上でございます。

土木部長の答弁

 十九番田中議員のご質問にお答えします。

 私に対しては、宇陀郡の道路、河川整備の現状と今後の見通しについてのお尋ねでございます。

 まず、女寄道路についてでございます。国道166号は、大阪府羽曳野市を起点とし、三重県松坂市に至る延長約152キロメートルで、うち奈良県域は約43キロメートルの幹線道路でございます。 このうち女寄道路は、女寄峠付近の線形不良、急勾配、冬季の積雪・凍結区間を解消し、安全な道路交通を確保するため、桜井市栗原から大宇陀町麻生田において、 延長約1.3キロメートルの区間について、トンネルを含めたバイパスとして平成十一年度より事業化しているものでございます。これまで各種調査を実施し、道路計画の設計を行い、 トンネルを含むバイパスルートを設定したところでございます。今年度は用地取得に着手するとともに、トンネルの詳細設計を行うことを予定しております。

 次に、榛原バイパスについてでございます。国道369号は、奈良県、奈良市を起点とし、三重県松阪市に至る延長約130キロメートルで、うち奈良県域は約86キロメートルの幹線道路でございます。 このうち榛原バイパスは、幅員狭小、線形不良の解消、交通混雑の緩和、歩行者の安全確保を目的として、宇陀郡榛原町福地から同町檜牧において、 延長約1.2キロメートルの区間を昭和五十八年度より事業化しているものでございます。既に起点側の榛原町福地地内で約0.4キロメートルを供用済みでございます。 残りの延長の用地取得状況は83%を取得済みでございます。工事については、終点側の延長約0.2キロメートルのトンネルを平成十二年度に完成させ、 近畿日本鉄道大阪線をまたぐ跨線橋の下部工を平成十二年度に着手し、上部工については本年度に着手する予定でございます。

 次に、栂坂バイパスについてでございます。栂坂バイパスは、幅員狭小、線形不良の解消を目的として、 宇陀郡室生村田口元上田口から同郡曽爾村山粕において延長約3.7キロメートルの区間を平成九年度より事業化するものでございます。これまでの用地取得状況は、85%を取得済みでございます。 今年度は、室生村と曽爾村の境界を貫く延長約1.8キロメートルのトンネル工事及び終点側の曽爾村の山粕地区の改良工事に着手する予定でございます。

 次に、土屋原バイパスについてでございます。土屋原バイパスは、幅員狭小、線形不良の解消、歩行者の安全確保を目的として、 宇陀郡御杖村土屋原字畑井から同村字笹及において延長約2.9キロメートルの区間を平成元年度より事業化しているものでございます。 平成十二年度までに、起点側、土屋原字畑井から村道峯線までの延長約1.0キロメートル、及び終点側の土屋原字堂前から同じく字笹及の約0.9キロメートルを供用済みでございます。 既にバイパス区間の用地買収は完了しておりまして、現在、村道峯線と一級河川青蓮寺川との間にありますトンネル及び橋りょうの工事を実施しているところでありまして、 平成十四年度内に供用を図る予定でございます。

 次に、名張曽爾線についてでございます。主要地方道名張曽爾線は、三重県名張市赤目町を起点としまして、曽爾村掛を終点とする延長23.0キロメートルの幹線道路でございます。 このうち曽爾バイパスは、曽爾村の今井地区から掛地区において、延長3.2キロメートルの区間を平成六年度より事業化しているものでございます。 バイパス北側の今井地区における延長1.1キロメートルの区間については用地買収を完了しておりまして、平成十四年度の供用を目指し工事を進めているところであります。 一方、バイパス南側の掛地区付近の延長2.1キロメートルの区間につきましても、現在96%の用地を取得しておりまして、今年度内には土地収用法の手続きを経て完了の予定でありまして、 用地買収の完了した場所から順次工事を進めているところであります。今後とも、これらの事業について、地元市町村などの関係機関のご協力を得て、 早期に整備効果が発現されるよう努めてまいる所存であります。


 次に、河川改修の整備状況及びその見通しでございます。宇陀川の河川の改修事業についてでございます。一般河川宇陀川については、 大宇陀町西山から大宇陀町拾生まで延長千メートルを改修計画区間としております。そのうち下流部の延長420メートルについて、重点的区間として整備を進めているところでございます。 この重点整備区間において、家屋移転が必要となる地権者や、井堰改築の必要な水利権者との調整に時間を要しているところもありますが、 平成十二年度末現在、当区間の約85%の用地買収を終えているところでございます。今後、残る大型補償物件や水利組合との調整を早期に完了し、 事業の進捗を図ってまいりたいと考えております。

 最後の、芳野川の維持修繕事業についてでございます。芳野川を含め、大宇陀土木事務所管内の一級河川に堆積土砂があることは承知しております。 平成十一年度に大宇陀土木事務所管内の一級河川の堆積土砂について現状調査を実施し、これに基づき、支障のあるところから順次撤去しているところであります。 今後とも、地元の漁業組合、水利組合、自治会等と連絡調整を図りながら、順次撤去してまいりたいと思います。

 以上でございます。

教育長の答弁

 十九番田中議員のご質問にお答えいたします。

 県立高校将来構想に関して、地域の実情を考慮した高校再編計画についてのお尋ねでございます。

 このたびの県立高校将来構想審議会の答申は、社会の急激な変化や生徒の多様なニーズに対応する、そのために高校の特色化とか多様化を推進する必要があること、 さらには、少子化に伴って生徒数減少の中でいかに高校教育の活性化を図るかということが大きな柱になっております。こういう基本的な視点に立ちまして、 生徒の適正や興味・関心、進路に応じた選択幅のある教育の提供、そのための教員配置、講座編成、さらに部活動や学校行事をはじめとする生徒の諸活動の活性化など、 多様な観点から審議をされ、こういうふうなことを実現するために再編・統合を行い、適正な規模を確保するという考え方が答申されたものだと認識をしております。

 また、同時に、具体的な再編に当たりましては、こうした適正規模の考え方を基本とするものの、山間地に立地し、交通不便な地にあって、学校周辺地域の出身生徒が多いことへの配慮や、 各地域の生徒数の推移、生徒の通学状況、そして交通の便や近隣校の有無、こういう諸条件もあわせて適正な配置に努めるべきとの提言もいただいております。 今後につきましては、この答申の趣旨を踏まえ、県立高校の特色化や魅力づくりと、その配置、規模について、具体的な再編計画の策定に向けて、 仮称ではございますが、県立高校再編計画策定委員会を設置してまいります。

 以上でございます。



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